2011年5月10日火曜日

複数の霊能力を発揮する霊能者は現代には存在しない(メッセージ85)

今日は、とても大切なお話をしたいと思います。
是非、皆様にご理解いただきたい内容ですので、少々長くなりそうではございますが、どうぞ気長にお付き合いくださいませ。

まず始めに皆様にお話しておきますが、現在の地上界において、複数の霊能力(霊媒能力やヒーリング能力など)を一人で発揮出来る人間が存在する事はありえないと申しておきます。
『それは何故か?』と問われれば、『必要ないから』です。
二千年程前に『イエス』という、人間としては特別な霊能力を発揮した方が存在した時代に生きた方々より、今の皆様が暮らしている地上界の方々の方が、霊的にもより成長しており、求めておられる霊的知識も変化しているため、霊界からの地上界に対するアプローチの仕方も変化しているのです。

そう――二千年前の地上界には確かに特別な霊能力を持つ人間が必要な状態でした。
当時はユダヤ人の『神に選ばれた民族』であるという歪んだ特別意識を戒める意味でも、『イエス』のおこした数々の『奇跡』の存在は必要不可欠であったのです。
その他にも、後の世に対する『布石』としての意味もありました。
霊的な活動は全て一つの計画の下に行なわれており、一連の流れとして繋がっているのです。
だからこそ、『イエスの教訓』が今の世にあっても、多大なる影響を及ぼし続けているのです。
それは、バチカンに存在する霊界との拠点を護り、運営するために必要な出来事であったといえるのです。

今までは、バチカンの拠点も眠った状態でしたが、去年より拠点開放に向けた活動が霊界側にて活発に行なわれております。
今現在では、もう八割方霊界と通じており、今後三年を目処に完全に拠点を開放し、霊的な活動を本格的に開始する予定でおります。

それに、当時地上界にお暮らしの方々は霊的にも未熟でしたので、彼らが霊的真理を理解するためには物質的なアプローチが必要であり、霊界から具体的なアクションをおこす為にも、『イエス』のように霊的に成熟した霊を宿す人間が必要だったのです。
『イエス』は当時の人間及び、今現在の地上界に対する霊的な計画のために、地上界に誕生したのです。
ですが、『イエス』の存在は稀であり、霊界側で綿密な計画を立て、『イエス』自身も多くの訓練を必要としました。
肉体に宿りながら霊的能力を複数発揮するためには並大抵の努力では成し得ませんし、より多くの霊的知識を必要とするからです。
『イエス』は地上界での活動のために多くの準備期間を設け、着実に果たしてゆきました。
それらの活動に関わる、霊界側でサポートをする立場の霊達も同様に訓練し、長い時間をかけて計画は実行されたのです。

これらの事からもわかるように、そう簡単に複数の霊能力を発揮される方が地上界に誕生するわけではないのです。
しかも、肉体には限界があり、一人で複数の能力を発揮する事はとても難しく、綿密に計画された事だからこそ、『イエス』のような人間が地上界で存在できたのであり、そう簡単に出来る事ではないのです。

それに、『イエス』のような存在が地上界に誕生する必要は、皆様の霊的成長と共に無くなりました。
その証拠に、百年ほど前に通信をおろしてきた『シルバーバーチ』と名乗る霊が人間界に働きかけた方法は、霊媒霊が地上界の人間の身体を借りることで伝えてきました。
霊が、直接肉体に働きかけるという方法をとったのです。
これは、皆様の霊的成長に応じて、霊界側で『この方法が適切である』と判断した結果なのです。

そして今、皆様にこのように通信をお送りしている私どもは、霊媒の方の意識の部分に働きかけ、メッセージを伝えております。
これもまた、皆様、地上界の住人が霊的に成長した証であり、私どもの通信を直接受け取れるまでに霊的に成長している霊が肉体に宿り、日々成長のために励んでいるという証拠なのです。
いずれは、特定の霊媒質の方だけがメッセージを受け取るのではなく、個々人がそれぞれの状況にあったメッセージを受け止められるようになる日が来る事でしょう。

このような訳で、もう地上界に超人的な霊能力を持つ方が存在する必要は無くなり、ある役割を持って霊能力を発揮しておられる方がいても、一つの能力に特化した形で発現させ、その能力を磨くというのが今の地上界に対する霊界側のアプローチの仕方であり、『それが一番適切である』との判断から活動しております。
その中でも、ヒーリング能力は徐々にその役割を終える方向にあり、今後は霊媒を通して送られるメッセージ(=霊界通信)が重要な役割を果たすようになるでしょう。
ですから、一人で複数の霊能力を発揮するという特異な現象は今の地上界には存在しないのです。
今後遠い未来に、一人で複数の霊能力を発揮される方が現れるでしょうが、それは、皆様が霊的に成長した結果なので、『イエス』が地上界で暮らしたころのような『特別な存在』ではなくなるのです。
何しろ、その状態が皆様にとっての『当たり前』になるのですから。
もう、『奇跡』を見せる事で皆様の気持ちを霊的真理に向かうように演出する必要はなくなったのです。

(2008年9月28日)





今回のメッセージは、既に霊能者(=霊媒)として社会で活躍されている方、もしくは霊能者に対して強い関心を持たれている方に向けての苦言とアドバイス——といった意味合いを持っております。
なぜなら、現代の日本で霊能者やスピリチュアル・カウンセラーといった肩書きで活動をされている方の中には、質の異なる複数の能力を発揮すると称する方がおられ、また複数の能力を発揮される方ほど優秀な能力者なのだとする認識が影響力を持っていると推察しますが、これまでに私たちが霊界から受け取ったメッセージによると、その様な認識は誤りであるばかりでなく、彼らの霊的成長を阻害しかねない重大な弊害となりうるとの判断からなのでしょう。
さて、この問題は以前(メッセージ8)で管理人の意見として、霊媒が無知な周囲の者によって新興宗教の教祖に祭り上げられてしまう不幸な例を紹介しましたが、霊能者やスピリチュアル・カウンセラーとして活動されている方の中には、上記の不幸な例に当て嵌まってしまう方もおられるように思います。
この問題を扱う際には、霊媒の特性や能力の問題と、霊媒を特殊な存在として扱ってしまう周囲の者の無理解の問題と、二つの側面に分けて考える必要があると思います。

そこで、上記の二つの側面について読者の皆様に考えを深めていただく材料になると考え、以下のような質問に対しての回答を得ました。





メッセージ85を受けた質問と回答


[質問]

以前のメッセージで、私は霊媒能力の特性と、その特性故に陥りやすい危険性について述べたことがありましたが、今回のメッセージには、霊媒が霊媒能力を社会で活かす際に心がけなくてはならない点について、そして一般の方々が霊媒と上手につきあう方法についての、二つの側面について考える必要があると感じました。
そこで第一に、霊的知識に対する理解や霊的成熟度が必ずしも十分ではない霊媒が、彼らの持つ特殊能力故に陥りやすい罠についての解説と、その罠を退ける為に有用なアドバイスがあれば、教えていただきたいと思います。
第二に、霊媒能力を持たない方々が霊媒とうまくつきあう方法——あるいは心構えについて、霊的な観点からアドバイスがあれば教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。


[回答]

まず第一に、霊的に未熟であればあるほど、『特別な存在でありたい』と願ってしまう心の動きを理解しておく必要があります。
霊的に未熟な方は、自我が弱いために己を見失いがちになり、その不安を解消するために『特別な自分』や『優れた自分』を演出してしまうものなのです。
これらの行為は全て、無知ゆえの恐れから来るものであり、霊媒師のみならず、誰の心にも潜んでいる思いなのです。
これらの思いが強ければ強い程、大げさに触れ回り、本来の自分よりも大きく素晴らしい存在であるかのように装ってしまうのです。
本来の自分より大きく見せる事で、周りからご自身の身を守ろうとする心の動きが結果として偽りを語らせ、その偽りを悟られないために更に大きな偽りを重ねるという悪循環に陥ってしまうのです。
皆様も『ピノキオ』のお話はご存知でしょう?
自分の未熟さを隠すために、女神に偽りを語るたびに鼻が伸びてしまうシーンはとても印象的です。
このように、ご自分でも気付かないうちに収拾が付かなくなるほど偽りを語り続け、その偽りに自らが振り回されてしまうというとても苦しい事態に陥ってしまい、もう隠し通すしか道が無いように思える程追い詰められてしまうのです。
周囲からの評価が高く、信頼されていればいるほどそのような傾向は強くなり易いのです。
信頼や評価を失った後の『惨めな自分』を想像してしまい、怖くてたまらなくなってしまうのです。
そんな思いをするなら例え偽りの中にあったとしても信頼を得続け『素晴らしい自分』であり続けたいと思ってしまい、後に引けなくなるのです。
このように、霊的に未熟で自我に乏しい方は『己』を見失う事を恐れる余り、演出した『特別で素晴らしい自分』から離れられなくなり、挙句の果てに周囲からの賞賛に酔いしれ己を過信し、下手をすると『特別ではない他者』と『特別な自分』を比べ、周囲の方々を蔑むようになる事さえあるのです。
その結果、自ら築き上げた信頼も評価も失い、ボロボロになるところまで行き着いてしまう方も少なくありません。

このようにならないためにも、霊能力は決して『特別なものではない』ということを肝に銘じておくことが大切です。
全ての方々が霊能力を発揮する下地を持ち合わせており、今現在それらの能力が発揮されていないのは、彼らの成長には必要の無いものであるに過ぎないという事実を知っておく必要があるのです。
そして、霊能力を持ち合わせて生まれてきた皆様には、必ずその能力に対する『責任』が付いて回る事を、常に念頭に置いておく事が必要不可欠なのです。
いつも申しておりますが、ご自身が成した事柄により生じた因果からは逃れる事は出来ませんので、その事をよく覚えておきましょう。

無知な方々は霊的にはとても脆く弱い存在でありますが、それと同時に無限の可能性を秘めた存在である事も忘れないで下さい。
それは決して恥ずかしい事ではなく、誰もが通る道であり、一つのステップなのです。
知らない事で他者に侮られる事を恐れずに、積極的に知る努力を心掛けましょう。
最初は皆無知な存在であり、経験を繰り返す事で徐々に知識が増すのですから、無知であることを恐れたり恥じたりする必要は無いのです。
無知と思われる方々を馬鹿にしたり蔑んだりしている方がいたならば、その態度や言動から、その方ご自身こそが『真理とは何たるか』を理解していないと世間に公言しているようなものなのです。

霊媒能力を持たない方々が霊能者と上手くお付き合いするにもやはり、霊能力は決して特別ではなく、皆それらを受ける下地は持ち合わせているということをよく覚えておく事です。
そして、霊能力を絶対視しない事が重要です。
人間である以上完璧はありえないのですから、常に彼ら霊能者も間違える可能性を念頭に置き、全てにおいて注意深く観察する必要があるのです。

通信霊も決して完璧では無く、私ども霊界の住人が伝える真理はあくまでも真理の断片であり、それが全てという訳ではないのです。
皆様は余りにも無防備過ぎます。
簡単に信じてしまったり、逆によく観察する事も無く退けてしまったりと、よく分からないからと言って考える事を否定してしまっては、折角の成長のチャンスを潰してしまいます。
それでは、いつまでたっても同じところで足踏みするばかりで、前に進む事は出来ないでしょう。
折角、学ぶために最良の環境が用意されているのですから、それを無駄にしては勿体無いと言うものです。

何事に対してもご自身の意見を持つ事を心がけ、その結果生じた事柄に関しては謙虚に受け止め、責任を持って対処する覚悟で事に当たるように努めましょう。
あなた方が誰を信じ、何を成すのかはあなた方ご自身が決める事であり、誰も身代わりになってはくれないのですから、例え霊能者であっても過剰な期待を抱かないように注意しましょう。
そして、彼ら霊能者もあなた方と同じ人間であり、間違いを犯す事もあれば、脆くて弱い心も持ち合わせているのだということをよく知っておきましょう。

これらの知識が皆様のお役に立てましたならば幸いでございます。
長い時間お付き合いくださり、まことにありがとうございました。

(2008年9月29日)





質問に対して丁寧な回答をいただきましたので、あえて付言する必要はないでしょう。
以前(メッセージ29)でも取り上げましたが、この地上界に誕生する人は霊的成長を目的としているのであって、一見優れた人物であるように見えても、あるいは何らかの特別な能力を発揮している人物でも、反面至らない部分を併せ持っているのだという点を見逃してはなりません。
イエスのように、自身の霊的成長以外の特殊な目的を持った存在が地上に誕生する機会は非常に珍しいのです。

さて、メッセージの本筋については以上なのですが、イエスが地上界に誕生した意味についてのメッセージが補足として届いておりますので、続けてご紹介しましょう。





メッセージ85-2


『イエス』が地上界に誕生した意味についてもう少し詳しくお話しする必要がございますので、ご説明させていただきたいと思います。

当時の地上界には、ユダヤ人という『神に選ばれた民族』であると自負して疑わない方々がおりました。
その特別意識は、長い年月を経ることで醜く歪み、まるで自分たちは『特別な存在』であると錯覚し、己を逸し、霊性向上のために努力するのではなく、自分達の地位や名誉を護るために、他民族を蔑む傾向にありました。
当時のユダヤ教の宗教指導者たちは、神から伝えられたとされる『真理』よりも、『神から選ばれた』という、特別意識に目を奪われ、本来、霊界が意図して伝えたメッセージを歪めて利用していたのです。
『直接、真理を伝えられた民族である』ことの意味を歪めて捉え、その事により生じた『責任』を果たすことなく、ユダヤの民を惑わしていたのが当時のユダヤ教の宗教指導者であり、大きな弊害をもたらしていたのです。
保身のために自らの立場を利用していたのです。

それはまるで、シルバーバーチ霊が通信をおろしてきた当時のキリスト教世界の指導者のようです。
彼らもまた、『特別意識』をもち、聖書に記されている『真理』に対して鈍感であり、『イエス』が語った内容をよく吟味する事も無く、都合のよいところだけを引き合いに出し、自らの思うとおりに多くの民を誘導しようとしていたのです。
もちろん、中には『真理』に対して真摯に向き合い、理解する努力を重ねておられる方もおりましたので、そこのところは勘違いの無い様にお願いいたします。
それに、宗派は分かれているとはいえ、『キリスト教信者』を名乗る方々が今現在でも大勢おられる事実を無視する事は出来ません。
いくら、宗教指導者が誤った道を指し示しているとは言っても、『イエスが語った霊的真理』に心引かれ信じている方が少なくないからこそ、今でも多くの信者が存在しているのです。

現在の地上界における、あらゆる宗教の指導者を名乗る方々の中にも、かつての『ユダヤ教指導者』や『キリスト教指導者』のように、己を『特別な存在である』との誤った認識を持ち、多くの民を惑わせているという事実から眼を背けるわけにはまいりません。
全ての方々がそのように誤った認識を己のうちに抱いているわけではございませんが、『特別である』と自負してやまない方が少なからずおられるのも真実であるのですから。
その事に目を瞑る訳にはいかないのです。
私どもにも『霊的真理』を皆様にお伝えする事により生じる『責任』があるのですから。
それは、何も私どもだけに限った事ではなく、『イエス』や『シルバーバーチ霊』にも同様の責任が生じており、今でも霊界にて皆様の霊性向上のために奔走している事をここにお伝えしておきたいと思います。

上記の理由に加えてもう一つ、『イエス』が地上界に誕生した理由があるのですが、それは、未来の世への『布石』となる役割を持っていたということなのです。
今でも、『イエス』の口から語られた真理は色あせることなく、多くの方々に支持され続けているのはなぜかと言えば、それだけの影響力を霊界側で見越した上で計画は実行に移されていたからなのです。
『イエス』は多くの言葉や『奇跡』を通して、今を生きる皆様へ向けて大きなメッセージを残しているのです。
それは、霊的に成長した先にある皆様ご自身の姿であります。
霊的に成熟した人間の姿を示す事で、何を実践する事が霊的成長に繋がり、大きく飛躍できるきっかけとなるのかを後の世の人々に教えていたのです。
そしてそれは、『イエス』が残した数々の言葉や『奇跡』を通して語られた『真理』を通して、後の世の住人がそれらの『真理』を当たり前のものとして認識し、『イエス』が成したのと同じことをごく普通の事であるかのように行なう日が来るという、いわば御手本であり、『イエス』ご自身がその身をもって霊的真理を再現していたのです。
ですから、今地上界でお暮らしの皆様には、超人的と思えるような霊能力を持つ方を間近で観察する必要は無く、かつて『イエス』が残した数々の『奇跡』を通して語られた『真理』を基に、それを自ら確信を持って実践してゆけるように心掛ける事が大切なのです。

『イエス』がその行動や言動から示したのは『真理』そのものであり、それが伝えられてから二千年ほど経過している事を考えたとき、今現在の地上界の住人は霊的にも当時の人々より成熟しつつあるのは必然なのです。
何しろ、私ども霊界の住人が皆様の世界へ何らかのアクションを起こすときは何時も、霊的成長に伴い、皆様方ご自身からの求めに応じた形で行なわれているのですから。
『イエス』の後にどれ程の霊が地上界に働きかけてきた事でしょう。
その事を考えてみれば、皆様は着実に、昔地上界で暮らした方々よりも霊的に成長しているということは疑いように無い真実であるといえるでしょう。
決して、求めるものがいない場所に霊的真理がもたらされる事はないのです。
科学の進歩もまた皆様の霊的成長の証であり、これらの知識も霊界からもたらされている事を考えれば、皆様方の地上界の住人がどれ程の霊的成長を遂げているのかは自ずと知れるというものです。
ですから、霊的に成長した皆様に今必要なのは、インパクトのある『奇跡』では無く、日常生活の中での地道な努力であり、その経験から『真理』を確信するに至るまでに心の変化を促してゆく事なのです。

(2008年9月29日)





イエスが生きたといわれる2000年ほど過去の時代には、ユダヤ人という『神に選ばれた民族』であると自負して疑わない方々がおりましたが、驕慢な選民思想を振りかざしたが故に離散の憂き目をみました。
それから2000年の時を隔てて、彼らは再びかつての故地に自身の国家を築きました。
しかし、独立から60年を経た今もなお、周辺諸国との関係がギクシャクとしている彼らの姿を見ていると、かつてイエスに批判された律法学者の姿が重なってしまうのです。
最近では日本もイスラエルとパレスチナの和解と共生に向けて、「平和と繁栄の回廊」構想の実現を働きかけておりますが、果たしてイスラエルが今後も国家を維持し続け、周辺諸国との関係を改善できるのでしょうか。

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